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November 2004

■空から恥が降る

著者:藤原新也(文藝春秋)

著者が周囲の人に勧められ2001年に立ち上げた
ホームページにアップされたものをまとめた一冊。
日常感覚で書かれた文章もまた面白い。
軽く読めるけれど、なるほどと納得したり
目からウロコな文章が多い。

中でも気に入ったのは、バッハのカンタータの中の
曲名「主の望みの歓びを」と付けられたもの。

音あるいは声のバイブレーションは生き物の身体生理に
きわめて密接な関係があり、「宗男君の声」は他者の健康
にたいへんよろしくない。
宗男君の罵声は「病み声」である云々というような内容。
宗男くんといえば、あの宗男くんですね。

シャーレに入れた水に清浄な音を浴びせるのと、
「バカやロー」のような怒声を浴びせるのとでは、水の
結晶現象が変わるらしいのだけれど、人間の体の90%も
水だから、同じことが言えるという論理のようだ。

人間の場合それはストレスとなって表れるわけだけれど、
浄化するためにはやはり音楽ということらしい。
以前、私の職場にもいたんだよね。
病み声の人が……。すぐに人を恫喝するの。
私が癌になったらぜったい奴のせいだと思う。

「ハウルの動く城」

監督:宮崎駿
音楽:久石譲

声の出演
ソフィー:倍賞千恵子
ハウル:木村拓哉
荒地の魔女:三輪明宏

11月21日に観て来ました。
混雑は思ったほど酷くなく、余裕で座れましたが
混んでいるのはやっぱりイヤと改めて思いました。

前半と後半で、ずいぶん雰囲気の違う映画です。
冒頭からすぐに空を飛ぶシーン。なんとも嬉しい。
ロンドンっぽい街の描写といい、やっぱりいいなあ。
美しい画に観ているだけで心ウキウキ楽しくなる前半。

あちこちにユーモアを散りばめ、笑わせてもらいました。
笑いすぎて、隣のカップル男性に怒られましたが(汗)。
お隣の二人は全く笑っていなかったのは何故でしょう?
笑えると思うんだけどなあ……。
場内爆笑の場面が沢山あったのに。
ま、感性の違いだから仕方ないか。
私も笑いすぎを反省。

うって変わり、考えさせられる後半。
久石譲の心に響く曲と相まって、泣かせられます。
この映画のテーマは何でしょう。
いえ、そんなことは気にしなくてもいいんだと思います。

「彼は弱虫でいいの」

世の中はきっと弱虫だらけの方が平和なんだろうな。

「聖母の深き淵」「月神の浅き夢」

柴田よしき著(角川文庫)

「女神の永遠」「聖母の深き淵」「月神の浅き夢」と続く
女性刑事・村上緑子が活躍するRIKOシリーズ。

最初の「女神の永遠」を飛ばして「聖母~」から読んだ。
途中から読んでも、一作ごと完結しているので大丈夫。
ハードボイルドで官能的。
でもそれだけに止まらないミステリーで、面白く読めた。
「聖母~」はトランスジェンダーやトランスセクシュアル
という難しい話題を絡めつつジェンダーについて、
「月神~」は人が人を裁くことについての疑問を
読んだ人が自然と考えるような作品だった。
この方はSF小説も書いているらしいので、読んでみよう
と思った。

「真珠の耳飾りの少女」

監督:ピーター・ウェーバー
撮影:エドゥアルド・セラ  美術:ベン・ヴァン・オズ
出演:スカーレット・ヨハンソン、コリン・ファース、キリアン・マーフィー
オフィシャルサイト
原題:Girl with a Pearl Earring
2002年/イギリス

1665年、オランダ。天才画家フェルメールの家に使用人として
やってきた少女グリートは、色彩における天賦の才をフェルメールに
見出され、やがて弟子となりモデルとなる。
主人と使用人としての距離を保ちつつも、次第にお互いが
本能で理解しあえる運命の相手だと気づく。許されぬ恋。
そんな二人を嫉妬に身を焦がす画家の妻が許すはずもなく・・・。

観たいと思いつつ見逃していたのをやっと観ることが出来ました。
一枚の絵に秘められた背景を描いた実話かと思ったら、
原作はトレイシー・シュヴァリエの同名小説で、絵のモデルである
少女がフェルメール家の使用人であったというのも創作なんだとか。
ちょっとがっかりだけれど、映画は素晴らしかった。

「窓を拭いてもいいですか」と聞くグリート。
「いちいち聞かないで」と答えるフェルメールの妻。
「光が変わってしまうから……」と呟くグリート。

たったこれだけの描写で、グリートが優れた色彩感覚の持ち主である
ことを観ている私たちに分からせるのが凄い。
それゆえに、互いに必要とし理解し合う関係となるフェルメールと
グリート。お互いの立場をわきまえ、微妙な距離を保っている二人。
けれど、妻は勘付いてしまうのだった。
たとえその絵を見なくても……。

嫉妬に囚われる妻が、同じ女として哀れだった。
夫婦でも、理解し合えない関係は哀しい。
フェルメールの気持ちはグリートに向いていて……。
それでも夫婦の間には子供が次々と生まれて……。
男性は、身体と心を別々の方角に向けることが出来るんだよね。
男女の関係は、いつの世も難しい。
なんて思ってしまったけれど、この映画はそんなことより
17世紀オランダとフェルメールの絵の雰囲気を映像に再現
したかったのだろうな。
絵のタイトルは「青いターバンの少女」の方が好みです。

【注】ヨハネス・フェルメール
(Johannes Vermeer, 1632年10月31日-1675年12月15日)
17世紀にオランダで活躍した風俗画家。レンブラントと並び17世紀の
オランダ美術を代表する画家とされる。
生涯のほとんどを故郷デルフトですごした。
少女の髪や耳飾が窓から差し込む光を反射して輝くところを明るい
絵具の点で表現している。 この技法はポワンティエ(pointillé)と呼ばれ、
フェルメールの作品における特徴の1つに挙げられる。

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