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哀歌

曽野綾子著(新潮文庫)

映画『ホテル・ルワンダ』が随分話題となりましたが、
あとがきによると、この小説は著者が虐殺から3年後
のルワンダで、具体的な虐殺の証言集を読んだこと
から生まれました。

主人公は日本人修道女の鳥飼春菜。
ルワンダの修道院で働いていたが、ルワンダ虐殺に
巻き込まれ、大勢の身近な人の死を目撃する。
そして春菜にも悲劇が襲うのだった。

映画では分からなかったこと、分かり難かったことが
詳細に書かれていました。
小説に描かれているようにアフリカでは、たくさんの
神父や修道女が内乱の犠牲になり、殺されたり、
全人格を否定されるような目に遭っているらしいです。

修道院の中でもツチ族に対する苛めがあったり、
ツチ族を見殺しにするような場面があったり、
修道女や神父たちも特別視せず、
一般人と同じように描かれています。
ルワンダ国民の80%はカトリック教徒なのだとか。

ツチ族や親ツチのフツ族を守ったホテル支配人の
凄さや勇気を再認識してしまいました。

一人の日本人である春菜は様々な思いで
その悲劇を眺めているわけですが、ただの
傍観者ではいられません。
そしてそれは現実にアフリカで起こっている
ことのようです。

こういう状況になったらせめて、
「殺す側でなく、殺される側でいられたのが幸運だ」
そう思えるような人間になりたいと思う。。。。

小説のラストは予想とはちょっと違う展開でした。

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