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しゃべれどもしゃべれども

佐藤多佳子

2008年の最初の読了本となりました。
NHKの朝の連ドラ『ちりとてちん』を毎朝楽しみに
していて、落語、噺家に興味が湧いたので。
この小説も前から評判を耳にしていたし、
国分太一クン主演で映画化もされたよね。

なんとなく新年に相応しい話だったように思う。
修行中の身である落語家の下に集まったのは、
口が重いというのか喋りに問題のある4人。
美人なのに愛想のひとつも言えなくて失恋した
十河という女性はまだいい方。
他の3人は大変だよね。
仕事に支障が出たり、毎日学校で辛いんだから。

お茶の先生をしている(主人公の)祖母が語る
「一期一会」が心に残った。

「同じお茶会というのは決してない。
どの会も生涯にただ一度限りだという心得。
その年、季節、天候、顔ぶれ、それぞれの心模様
何もかもが違うんだよ。だからこそ、毎度毎度面倒な
手順を踏んで同じことを繰り返し稽古するんだよ。」

お茶を点てる側、頂く側それぞれの心模様だよね。
ダンスや舞台もきっと同じだね。
踊る側、観る側、それぞれの心模様で変わるから
生涯に一度限りの舞台。

テニスコーチをしている従兄弟の青年が生徒との
人間関係に悩み、子供の頃に克服したはずの
吃音にまた苦しむんだけど、人様に「教える」って
のは、色々難しいんだろうなと改めて思った。

その子のためを思って一生懸命な先生。
その先生の吃音を嘲笑する子供たち。
学校の先生の大変さや心を病む教師が増えている
と前からずっと騒がれているけれど、なんだか
嫌な世の中だ~。今の子供たちって、親から
「人の肉体的欠点などを指摘したり笑ってはいけません」
って言われないんだろうか?

本当は標準語も話せるらしいのに大阪弁しか喋らない
小学生、優くんの発表会の場面で号泣。
どんなに上手に喋っても笑いをとれなかった十河が
象徴的だと思う。
もし優君じゃなくて、いじめっ子の大将が同じ落語を
やったとしたら、果たして笑いがとれただろうか?
と想像してしまった。

優くんのその後を読みたいと思う。
テニスコーチのその後も。
そして元野球選手のその後。

落語家と十河の二人は想像通りだな。
多分。


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