« かもめ食堂 | Main | 葉桜の季節に君を想うということ »

パンズ・ラビリンス

Panslabyrinth

監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:セルジ・ロペス、マリベル・ベルドゥ
2006年/スペイン・メキシコ

第79回アカデミー賞3部門を受賞し、
昨年随分話題となっていた映画を
久しぶりの蠍座で観てきました。
客席は超満員。
キネ旬ベスト10、読者が選ぶベスト10にも
選ばれていますが、話題になりベスト10に
入るだけのことはありました。
面白い映画を観た!と大満足。
精神的に少々キツかったけれども。

1944年、スペイン。
フランコ独裁政権下、山間部ではファシストに抵抗する
レジスタンスによるゲリラ戦が続いていた。
優しい父を内戦で亡くしたオフェリアは、
我が身の安泰のために(我が子のことも多少は考え?)
大尉と再婚した母と共に義父の元で暮すことになる。
大尉の子を身ごもっていた臨月の母は自分のことで
精一杯。身重の妻を自分の側に呼び寄せたものの、
オフェリアには冷たい義父。
残忍で冷酷な義父を好きになれないオフェリアだった。
そんな彼女を一匹の巨大な虫がラビリンス(迷宮)へと
導き、牧神パンと出会うが……。

オフェリアは子供ながらもファシストと戦っていたのだ
と思う。たとえそれが空想の中だとしても。
勇気を試され、飢えや寒さ、不潔な環境に耐え、
巨大な虫がワラワラと出てくる地べたで寝起きしなければ
ならないのがゲリラ戦なわけで、パンに課せられた試練
そのものだよね。

そして3番目の試練。
最初は、愛する家族を守るため、善良な市民を守るため
といった純粋な理想を掲げて戦っていたはずが、
人間の心は弱いもの。いつしか理想から遠ざかり、
<権力を握る>という誘惑に囚われてしまうかも。
それを試されたのかなと思ったけど、深読みだろか?

苦しみや悲しみの一切ない地底の王国に戻るには、
あの結末しか有り得ないのでは?
哀しく切ないけれど。

何年か前に観た映画『蝶の舌』を思い出したんだけど、
やはりスペイン内戦に関する話だったと思う。
昨日まで親しかった隣人、友人が今日は敵、
密告や裏切りが当たり前の日常。
無垢な少年が心に深い傷を負い、その傷は癒えない
まま成長した青年の姿で終わっていたと記憶している。
子供が無垢なままでいられるはずが無いものね。

空想の世界はグロいし、現実の世界は痛いシーンが
多く、ちょっと気分が悪くなってしまった。
ああ~貧血が……。


« かもめ食堂 | Main | 葉桜の季節に君を想うということ »

映画・テレビ」カテゴリの記事

Comments

映画館主・Fさん、こんばんは。
こちらこそ大変ご無沙汰しております。
コメントありがとうございます。感激です~。

映画を観た後すぐにFさんのサイトに伺って、
いつもながらの深い文章を拝読しております。
ガラガラの映画館って、スガイだったんですか!!
びっくり。
私も辛いことがあると現実逃避したい方ですが、
あのお母さんはイカンなあと思います。
こちらこそ、これからも宜しくお願い致します。

Katzeさん、お久しぶりです。いや〜、本当にご無沙汰しちゃってすみません。実はこの映画、昨年の11月頃に仕事で札幌に行ったとき、スガイで夜中に見た映画なんですよ。ここんところ、資料集めなどで何度も札幌に行っているのですが・・・。僕が見たのは最終の上映回でしたが、僕以外誰もいないという貸し切り状態でした(涙)。それはともかく、一見あの女の子がファンタジーに逃避しているように見えて、実はファシズムに邁進する男たちやら、その男の残虐性などには目をつぶって目先の幸せをつかもうとする母親なんかの方がよっぽど現実逃避している・・・という辛い映画でしたよね。それにしてもあのイマジネーションには驚き。札幌で見たこの映画のことを、札幌のKatzeさんがお書きになっているのを読んで、妙に懐かしくなっちゃいました。また、よろしく〜。

Post a comment

Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.

(Not displayed with comment.)

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/39855/40088760

Listed below are links to weblogs that reference パンズ・ラビリンス:

« かもめ食堂 | Main | 葉桜の季節に君を想うということ »

November 2017
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
無料ブログはココログ