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償い

矢口敦子著(幻冬舎文庫)

36歳の医師・日高は子供の病死と妻の自殺で絶望し、
ホームレスになった。流れ着いた郊外の街で、連続
殺人事件に巻き込まれ、なぜか「探偵」もどきの役割を
任されることになるが……。

店頭に必ず平積みになり、書店員の「泣ける」「傑作」
「感動」作品と書かれた手書きポップが付いている本書。
そんなに泣けます?感動します?うーん?

昨年『ソケリッサ』という公演が話題になりました。
ダンサーのアオキ裕キ氏とホームレス境遇にある男性
6人によるコンテンポラリーダンスの舞台。
アオキ裕キ氏が「ホームレスの人の踊りが見たい」と
思ったのがきっかけらしい。

2,500円のチケット代を払って観に行かれた方々は
何を思って観に行ったのだろうと不思議なんだよね。
興味本位?アオキ氏を見たかったから?

「家のない者を見る世間の目がどんなものか、思い知らされた。
いずれとんでもない理不尽が身にふりかかってくるかもしれない
予感はあった。」
と、火事の第一発見者である日高は警察の取調べの最中に
思う訳ですが、これは「家のない者」に限らないよね。
世の中、身なりや肩書き、職業で判断する人ばかりじゃないの。

「他者の心を傷つけた者は、どうやって裁かれるべきなのだろう」
と、登場人物に語らせ、「人の心の泣き声が聞こえる少年」と
日高の心の交流を描く本書ですが、私はこの小説を読んでも
ほとんど感動しないし、何が面白いのかよく分からない。

主人公をホームレスにする意味はあったのだろうか?
ホームレスになることで、償いが出来たのだろうか?
世の中の偏見や差別にさらされ、哀しみは深まるだけじゃないのか。
二人は果たして救われたのだろうか?


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