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からくりからくさ

初めて読む作家さんです。
映画化された「西の魔女が死んだ」が今、
話題になっているようなので読んでみました。
これが当たりでした!

祖母が残した古い家で共同生活を始めた4人。
染色家の工房に通い勉強中の身、蓉子さん。
鍼灸を学ぶアメリカ人マーガレット。
美大生の紀久と与希子。
そしてその中心には、心を持つ人形りかさんが。

いろんなことが詰まっていて専門用語が多いし、
先祖の話が続いたりして途中で混乱するけれど、
妙に心落ち着く読後感です。
考え方も生まれも育ちも性格も違う4人に芽生える絆。
次第に分かってくる不思議な縁。
タイトルの唐草模様のように連続した日々の営み。
唐突なラスト。

「媒染次第で簡単に色は変わる。植物そのものは
全く同じなのに。人間の集まりにも似たところがある」
「染物は草木の命を色に移しかえることだ」

などなど、興味深い文章が多く、心惹かれます。

もともと日本画をやっていた神崎という男性は、
光と影の微妙なバランスに惹かれて染織に入ったとか、
糸はどんなに重ねても一つ一つは自分を主張したまま
全体としてのハーモニーの中に入っているとか。
印象派の点描が目指していたのも織物の世界じゃ
ないかとか。
その神崎が選んだ女性と彼が向かった国とか。
唐草模様は永遠に混じりあわないとか。

上手く言葉に出来ないけれど、心を刺激するものが
あるんだよねえ。
鎌田慧著「いじめ社会の子供たち」という本に書いて
あった文章を思い出しました。

もともと「和」とは、個人個人が力を発揮し、
うまく奏でられるのが「和」だったはずなのに、
個人を殺して集団の「和」をつくる意味になっている。
日本は集団のつくり方がどこかおかしい。
というようなこと。
この本「からくりからくさ」の主題はもっと別のこと
だと思うけれど。


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