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愛を読む人

監督:スティーブン・ダルドリー
原題:The Reader
出演:ケイト・ウィンスレット、レイフ・ファインズ、デビッド・クロス、レナ・オリン、ブルーノ・ガンツ
2008年/アメリカ・ドイツ合作映画

とっても的外れな感想だろうなと思いつつ書いて
しまうけれど、私がこの映画を観て強く思ったのは

「人の人生を左右する裁判員にはなりたくない」

でした。

同じことをしたのに、片や4年の刑でハンナは無期懲役!
重要な証言がされなかったばかりに。
裁判って一体何なんでしょう。

映画ファンの感想を読むと、「マイケルが証言しなかったのは
愛するハンナの自尊心を守ろうとしたから」と書いている方が
多く不思議です。
私には、そういう風には見えませんでした。

あれだけマスコミが注目する裁判だから、
もし自分が判決に影響を与える証言をしたら……
と、その後の自分自身に思いが及び、怖くなって逃げた!
そう思ってしまいました。
マイケルがテープを送り続けたのは、逃げたことへの贖罪、
法を学ぶ者として正しいことをしなかった罪悪感からでは?
検事となった妻との結婚生活が破綻したのも、
このことが大きく影響してるんじゃないかなあ。

それに、ハンナの秘密を守ることが「愛」だとは思いません。
刑期が短ければ人生をやり直すことも可能だったかもしれない。
いくらでも学ぶ機会を得られたかもしれない。
冷酷な殺人者の烙印を押されなければ、また違った結果
だったかもしれないのに……。

ハンナがすぐに認めてしまったのも、秘密を守り通したかった訳
ではなく、今更「文字を書けない」と言っても通用しないだろうと
諦めの境地だったのではないでしょうか。

そもそもこの映画、20もの歳の差と性的な描写ばかりが強調され
話題になっているけれど、ちょっと違うんじゃないかなあ。
悲惨な戦争経験者と戦争を知らない世代の意識の差を描くには、
必要な設定だったのではなかろうか。

「過去から何を学んだ?」
マイケルがハンナに投げかけた質問。
これが原作者の、この映画が最も訴えたかったことでは?

戦争を経験していない私たちは、300人を見殺しにした冷酷な人
だとか、ユダヤ人を「選別していた人」だとか、個人が犯した罪に
ばかり目を奪われがちだけれど、それだと私達は「過去」から
何も学べないような気がします。

あんまり言いたいことを上手く書けないけれど。

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